私たちは、全てのアスベスト被害の「救済」と「根絶」を目指します。
経験豊富な弁護団が、様々な手法を駆使して、相談者の皆さまのために最善を尽くします。
私たちは、全てのアスベスト被害の救済と、新たな被害発生の防止、ノンアスベスト社会の実現を目指して活動しています。2005年から本格的にアスベスト問題に取り組み、現在30数名の弁護士が所属し、大阪・兵庫・奈良・和歌山といった近畿圏を中心に相談・依頼を受けています。
アスベスト被害は理不尽な人災です。危険性を知りながら規制や対策を怠った国や企業の責任を明らかにし、被害救済を行うことは、新たな被害発生の防止のためにも重要です。
私たちは、アスベストによる不治の病に苦しむ患者や大切な人を奪われた家族に寄り添いながら、最新の情報と豊富な経験を活かして、最善を尽くします。「中皮腫治療推進基金」にも協力して、中皮腫の治療法の開発等も支援しています。一人残さず救済し、一人の被害者も出さない規制や対策を実現することが、私たちの目標です。
団長 村松昭夫
弁護団の特長
一人でも多くのアスベスト被害者が救済されるよう活動しています
私たちは、労災・石綿救済法の申請や、国や企業に対する裁判・解決交渉等に取り組み、広くアスベスト被害者が救済されるよう積極的に活動しています。
これまでのご相談は2000件を超え、数百件の事案を解決してきました。工場型(泉南型)国賠訴訟における和解実績も豊富で、企業との交渉や裁判により賠償金を獲得した事例も多数あります。また、一人でも多くの被害者やその遺族を救済するために、前例のない裁判にも挑戦し、救済への道を切り開いてきました。
最高裁での初の勝利判決と厚生労働大臣の謝罪を勝ち取った弁護団です
私たちは、2006年5月に大阪・泉南アスベスト訴訟を提訴し、2014年10月9日、アスベスト被害について国の責任を認めるわが国で初めての最高裁判決を勝ち取りました。これを受けて厚生労働大臣は謝罪し、原告と同様に石綿工場等で被害にあった方々も訴訟上の和解によって救済することを約束しました。
このことを契機として、現在の工場型(泉南型)国賠訴訟の和解基準が設けられ、多くの被害者の救済につながっています。
建設アスベスト被害に救済の道を拓きました
私たちは、建築作業者のアスベスト被害に関し、国と建材メーカーに対して賠償を求め、2021年5月17日、最高裁判所で勝訴しました。
さらに、最高裁判決を受けて、原告団・弁護団・支援と国との間で基本合意が締結され、国が被害者らに給付金を支給する制度(建設アスベスト給付金制度)が開始されました。
専門医療機関と全国の弁護団との連携
アスベストによる疾患か否かは専門医による診断が必要な場合があります。私たちは、専門医と綿密に連携をとり、必要に応じて相談者に専門医を紹介し、専門医の説明に付き添うなどしてご相談にあたります。
また、全国のアスベスト問題に取り組む弁護団、支援団体、患者・家族団体と知恵と力を出し合い、全国各地のアスベスト問題に関する最新の情報を集積しながら活動しています。
月2開催のミーティングで事例を共有
私たちは、月2回のミーティングを欠かさず開催し、各弁護士が担当する一つひとつの事案を綿密かつ丁寧に検討するなどして、弁護団が一丸となって事案の解決にあたります。
様々な手法と適切な解決策を提案
最新の情報と豊富な経験によって蓄積された様々な手法によって、相談者の皆さまのニーズに応じた適切な解決策を提案します。また、複雑困難な事案であっても、丁寧に検討し、解決に向けて粘り強く対応します。
推薦メッセージ
一貫した被害者救済の取り組み
みずしま内科クリニック
院長 水嶋 潔
他の追随を許さない能力、経験、優しさ
博士(政策科学)
森 裕之
その能力、経験、優しさは他の追随を許さないものであり、ここから一人でも被害者の皆さんが救済されることを心から願っています。
ふれ合いと信頼関係
(泉南アスベスト国賠訴訟2陣原告共同代表)
山田 哲也
親身になり被害者に寄り添うお姿から、
人と人とのふれ合いと信頼関係が大きな力になることを学びました。
これからも全ての被害者救済の為やりぬく弁護団です。
弁護団概要・名簿
沿革 | 1987(昭和62)年 大阪じん肺弁護団を設立 2005(平成17)年 大阪じん肺アスベスト弁護団に改称 2012(平成24)年 大阪アスベスト弁護団に改称 |
団長 | 村松昭夫 【略歴】 1982(昭和57)年 弁護士登録 日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会元委員長 元京都大学客員教授(環境法事例演習) 全国公害弁護団連絡会議代表委員 日本環境会議副理事長など 西淀川大気汚染公害訴訟、その他道路公害訴訟弁護団に参加 |
構成 |
弁護士34名(2024年11月現在) 【弁護団名簿 (PDF) 】 |
活動目的・理念 | アスベスト被害に苦しむ被害者・家族の救済を中心に、新たなアスベスト被害の発生防止をも実現すべく、全てのアスベスト被害の救済と根絶を目指して活動しています。 |
取扱事件 | 大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟 関西建設アスベスト大阪訴訟 国に対する損害賠償請求訴訟(工場型(泉南型)国賠訴訟) 企業に対する損害賠償請求事件(交渉・訴訟) 労災申請・審査請求・再審査請求 労災不支給決定に対する取消訴訟 |
取扱地域 | 主に、大阪府・兵庫県・滋賀県・和歌山県・奈良県 ※遠方の方も、まずはご相談下さい。信頼できる他の弁護団をご紹介させていただく場合もあります。 |
主な実績 | 大阪・泉南アスベスト国賠訴訟(最高裁勝訴判決) 関西建設アスベスト大阪訴訟(最高裁勝訴判決) 三井倉庫損害賠償請求訴訟(最高裁勝訴判決) 中央電設損害賠償請求訴訟(最高裁勝訴判決) 工場型(泉南型)国賠和解:多数 企業に対する損害賠償請求(勝訴判決・和解):多数 労災・石綿救済法申請:多数 石綿肺がん労災不支給決定取消請求訴訟(勝訴判決) 遺族による死者の個人情報開示請求訴訟(勝訴判決) |
受賞歴 | 平成26年度 日本労働弁護団賞 受賞
泉南アスベスト国賠訴訟の最高裁勝訴判決獲得により、泉南地域の石綿工場労働者に対するアスベスト被害の国の責任を明確にし、全国のアスベスト被害の救済と対策を後押しする大きな力を与えたことで、我が国の労働者の権利闘争の発展に寄与したものとして、全国の労働者・労働組合の権利擁護を目的とする日本労働弁護団から表彰されました。 【賞状 (PDF) 】 令和2年度 滝井繁男行政争訟奨励賞 受賞 元最高裁判所判事・滝井繁男弁護士の遺言に基づき、行政争訟の活性化の実現のために、優れた研究や顕著な功績を残した個人又は団体を表彰する滝井賞において、当弁護団は「泉南アスベスト国賠訴訟での最高裁勝訴判決を得て、和解手続による被害回復を実現したこと」などの功績が認められました。 【賞状 (PDF) 】 【受賞記念講演(大阪アスベスト弁護団の活動~泉南アスベスト国賠訴訟を中心に~) (PDF) 】 令和3年度 日本労働弁護団賞(全国弁護団会議として) 国の責任に関して、労働者だけでなく一人親方及び中小事業主についても賠償責任を認められたこと、複数の建材メーカーの不法行為責任が認められ、共同不法行為の新たな法理論を発展させたこと、さらには、国と基本合意を締結し、建設アスベスト給付金法の制定に至ったことについて、大きな成果として高く評価して頂き、受賞となりました。 |
講演等 | 各種学習会、セミナーでの講演も精力的に行っています。
【主な講演等実績(2023年7月18日時点)】 講演依頼も承っておりますので、お気軽にお問合せください。 |
弁護団の活動・取り組み
勝訴判決だけで数十件、労災認定や和解を含めると300件以上のアスベスト事件を解決しています。
弁護団が獲得した勝訴判決
私たちは、国に対する行政訴訟、企業に対する損害賠償請求など、多数の勝訴判決を獲得しています。
- 大阪地裁令和元年6月5日判決(遺族に対する労災記録不開示決定に対する取消訴訟)
- 大阪高裁平成30年9月20日判決(関西建設アスベスト大阪1陣訴訟)
- 大阪地裁平成29年7月19日判決(労災不支給認定に対する取消訴訟)
- 大阪地裁平成28年1月22日(関西建設アスベスト大阪1陣訴訟)
- 最高裁平成27年9月8日決定(中央電設㈱の上告を受理せず控訴審の勝訴判決が確定)
- 最高裁平成26年10月9日判決(大阪・泉南アスベスト国賠訴訟)
- 大阪高裁平成26年9月26日判決(中央電設㈱に対する損害賠償請求訴訟控訴審)
- 大阪地裁平成26年3月26日判決(労災不支給認定に対する取消訴訟)
- 大阪地裁平成26年2月7日(中央電設㈱に対する損害賠償請求訴訟第一審)
- 大阪高裁平成25年12月25日(大阪・泉南アスベスト2陣国賠訴訟)
- 最高裁平成25年11月21日決定(三井倉庫㈱の上告を受理せず控訴審の勝訴判決が確定)
- 大阪地裁平成24年3月28日(大阪・泉南アスベスト2陣国賠訴訟)
- 大阪高裁平成23年2月25日判決(三井倉庫㈱に対する損害賠償請求訴訟控訴審)
- 大阪地裁平成22年5月10日判決(大阪・泉南アスベスト1陣国賠訴訟)
- 神戸地裁平成21年11月20日判決(三井倉庫㈱に対する損害賠償請求訴訟第一審)
ほか訴訟上の和解により解決した事案、訴訟外の和解により解決した事案など多数。
弁護団の出版物・論文等
『アスベスト被害救済のための労災補償・健康管理手帳・アスベスト新法活用法』(2006年8月30日)+平成24年改訂別冊
『問われる正義 大阪・泉南アスベスト国賠訴訟の焦点』(2012年/かもがわ出版)
『アスベスト惨禍を国に問う』(2009年/かもがわ出版)
『大阪・泉南アスベスト国賠訴訟最高裁判決』(2015年/労働法律旬報1837号・旬報社)
『アスベスト問題は終わっていない』(2015年/労働の科学第70巻第9号・労働科学研究所)
『アスベスト国賠訴訟の到達点と課題』(2016年/環境法研究2016年4月号・信山社)
『泉南アスベスト国賠訴訟と建設アスベスト訴訟の到達点と課題』(2021年/現代市民社会における法の役割 吉村良一先生古希記念論集・日本評論社)
『建設アスベスト最高裁判決と今後の課題』(2021年/労働法律旬報1993号・旬報社)
『アスベスト被害救済と建設アスベスト訴訟最高裁判決の意義』(2022年/環境と公害第50巻第4号・岩波書店)
【弁護団執筆論文一覧(2022年5月16日時点)】
泉南アスベスト国賠訴訟を取り扱った著作物
『アスベスト惨禍を国に問う』
(2009年・かもがわ出版)
松田毅・竹宮惠子監修『石の綿 泉南編』
(2013年・かもがわ出版)
加藤正文著
『死の棘・アスベスト作家はなぜ死んだのか』
(2014年・中央公論社)
永尾俊彦著
『国家と石綿 ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い』(2016年・現代書館)
原一男監督ドキュメンタリー映画
『ニッポン国vs泉南石綿村』(2018年)
中村千恵子著
『アスベスト絵伝 大切なもの それは命』
(2021年・泉南アスベストの会)
松田毅・竹宮惠子監修
『石の綿 マンガで読むアスベスト問題』
(2012年・かもがわ出版)
ザ・ノンフィクション
『おじいちゃんの遺言~あんたとボクの人生最後の3カ月~』
(2013年・フジテレビ)
松田毅・竹宮惠子監修
『改訂新版 石の綿 終わらないアスベスト禍』
(2018年・かもがわ出版)
佐伯一麦著
『石の肺―僕のアスベスト履歴書』
(2020年・岩波現代文庫)